古道132

神仙道と仏道(4)
かつての神仙道には儒教や仏教と融合するくらいしかなかったが、今日のようにいろいろな思想が知られるようになると、そうしたものとの一致を感じる人もいるかもしれない。近現代に起こった新興宗教ではイスラームやキリスト教えとの合一を唱える派もある。儒教、仏教、道教ときキリスト教、イスラーム教の五教合一を説くのである。
台湾で一定の信者のいる一貫道なども、その類の宗教である。一貫道はかつては天津あたりにも広まっており、八卦掌の孫錫コンも信者であったらしい。また王樹金はよく知られている。

太上十三経注釈(342)老子 第二十五章

注釈では、先天の世界には「名前というものがない」としている。荘子は「万物斉同」ということを教えている。これはあらゆるものが、等しい関係にある、ということである。こうした考え方は、先天の世界をベースとしている。確かに後天の世界では、身分の上下や貧富の差がある。しかし、それは本来の先天の世界にはないものなのである。先天の世界には「名前」がない。社長も大臣もないのである。
神や仏といった「名前」を持つものも、すべて後天の世界で妄想されたものである。そうした妄想の必要な人や場合もあるが、それを脱して先天の世界に目覚めることが必要である、と老子は教えている。これは釈迦も同様である。神仙道のテキストに「仙仏合宗」があるが、釈迦の頃の仏教と神仙道は、ひじょうに近いものがある。