古道086

アイコンとしての弁財天(4)
また日本で特に信仰を集めている不動明王は、神道でいうなら荒魂の象徴である。不動明王も宇賀神弁財天と同様に、クンダリニーの覚醒を象徴している。不動明王の持つ剣は、倶利伽羅剣であり、俱利伽羅明王という蛇体の神である。これが剣に絡みついているのである。つまり上昇する蛇のエネルギーを現しているわけである。おもしろいのは、俱利伽羅明王の顔が下を向いていることである。これは下降するエネルギーの象徴であろう。これを含めると不動明王は上昇するエネルギーと下降するエネルギーがともに示されており、周天と近いものがある。

太上十三経注釈(296)老子 第二十二章
対極にあるものが、互換性を持つとき、その関係は「太極」となる。これについて注釈では「ものを枉(ま)げて行けば、次第に真直ぐになる」とする例えを示している。一本の棒があるとして、それを曲げると、当然なことに曲がった状態となる。それを、さらに曲げて行けば、折れ重なって一本の棒となってしまう。これは「曲がった棒」の中に「真直ぐな棒」の性質が含まれていたからであると考えるのである。そうであるから対極にあるものは互いに引き合うのである。
最も厳しい対立の場である闘いの場では、必ず闘う者たちは接触をしなければならない。それは親しい関係と同じである。最も厳しい対立の関係の中には、実は最も親密な関係性が含まれていたのである。それを太極拳は見出して「おおいなる対極」つまり「太極」としたのであった。