第九十二話 中国武術における拿法と打法(11)

第九十二話 中国武術における拿法と打法(11)
本来の八極拳は相手を引き込んで打つことを基本としているが、猛虎硬爬山は相手が動かなかった時に引く力を利用して自分の体を突っ込むように移動させる。この手法が幾つか示されているのが猛虎硬爬山となる。これと似た技法に形意拳の狸猫上樹がある。狸猫(ベンガル山猫のこと)や虎は共にネコ科の動物で熊のように力の強いものではない。そうであるから彼らが「山」や「樹」を動かすことはできない。「硬」とは「ひたすらに」という意であるから猛虎硬爬山は「猛虎がひたすらに山に登ろうとする」とする様子を現すものと解することができる。つまりひたすら相手を掴もうとしているわけである。猛虎硬爬山は角度をいろいろに変えて、つまり死角を自分で作り出して相手を打つ方法が示されている。

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